(♪)
額の、髪の生え際に、まぶたの上の黒子に、耳たぶに、鼻先にキスを落す。
わざとピントをずらしたような場所を愛撫するな、と思っていたら、裸の胸や腹に当たる、
男の革の衣服の感触に翻弄された。
キスをするために身体を乗り上げて、擦り付けると気持ち良い処に当たるように、
計算しながらキスしてきているのだ、と気付く。 目立つ黒子のあるあごが動き、厚めの唇が顔中を弄るのが心地良い。
この身体に関しては、男のほうがよっぽど詳しい。
開いたジッパーの金具で、触れる全裸の肌を傷つけるのを恐れて、
男は革のライダースーツの前を再びきっちりと閉めていた。
革に覆われたままの長い腕をまわして、抱き締められる。
背中に、腹に、育ちきった性器に触れる革の感触が、全裸の素肌を狂わせた。
|